著者として、最初に正直に言っておきます。
この『自転車操業バンザイ! 』は、著者デビュー15年を記念して書きましたので、私の過去の著書名が本文中に何度かでてきますことをお断りしておきます。
しかし、初めてこの『自転車操業バンザイ! 』をお読みいただいても、そうした過去の著書名などは読み飛ばしていただいて一向にかまいません。
経営者としてまだ融資をあまり受けたことがない場合は、融資の専門用語が多くて難しく感じられるかもしれません。
じつは著者として、本の執筆をしていて悩むのは、そこです。
本として販売する以上は、より多くの人に購入していただきたいのが正直なところです。
しかし、銀行融資の基本である証書貸付とは・・・・・・と説明を書き始めてしまったら、本1冊がとんでもないページ数になってしまいます。
なので、もっと正直に言いますと、この本は、現在会社員としてお勤めの方を対象には書いていません。
よって、より多くの人に読んでいただきたいのでありますが、これから起業しようという場合なども想定して書いていません。
それから、私の文章の書き方が、いわゆる会話調、話し言葉になっています。ぶっちゃけ、ため口で書いている部分もありますので、お読みになった方の中にはイラっとする方もいらっしゃるかもしれません。
やれやれ、これからこの本を買って読もうとするかどうか、購入ボタンをクリックするかどうかってときに、あれこれと面倒な但し書きがあるもんだな・・・・・・。
そう、この本は、中小企業の資金繰りの“危険物取り扱い説明書”みたいな本です。
自転車操業クラブが本として帰ってきました!
『借金バンザイ! 』『粉飾バンザイ! 』『税金バンザイ! 』のバンザイシリーズ3部作は、中小企業の資金繰りや会計、税金などについて読みやすいストーリー形式で書かれて、累計10万部のヒットシリーズでした。
そのバンザイシリーズの4作目が、中小企業の資金調達バイブルとして帰ってきました。
前作『借金バンザイ! 』の中で、著者の小堺氏のクライアントを“自転車操業クラブ”と半ば冗談半分に称しましたが、じつは自転車操業クラブは会員制コンサルティングとして実在します!
こうしたビジネス書では、いろいろな企業の実例が紹介されますが、「このような企業が本当に実在するのかな?」と感じられた方もいることでしょう。
とくに、中小企業の資金繰りについて実際のことが書かれた本そのものが少ないですし。
ところが、小堺氏の本に書かれたクライアントは、実際に実在します。
今から15年前に書かれた『借金バンザイ! 』に登場した会社が、本書にも登場しており、なんと、実名こそ書かれていませんが、小堺氏と講演をしている写真まで掲載されています。
本書は、実際の中小企業の、最新の資金調達ぶりや、決算書の様子や銀行交渉ぶりが、じつに生々しく、それでいてユーモラスに書かれています。
登場する銀行名などはさすがに仮名ですが、おそらくその地方の方が読めばすぐあそこの銀行だ! とわかるような程度の仮名です。
なぜ、小堺氏はここまでリアルに書くのでしょうか?
そしてまた、小堺氏のクライアントは、実名こと明かさないものの、なぜ自分の会社のことをここまで書かれることをOKしたのでしょうか?
この本に書かれている主な内容は、
- 年商1億2,000万赤字3,000万から年商18億で役員報酬4,000万の会社にするための資金調達
- 赤字の試算表でプロパー手形貸付3,000万と経営者保証なし融資2,000万を借りられる銀行交渉術
- 父親から継いだ資本金1,000万だけの会社を10年で純資産1億自己資本比率30%にできた地味でつまらないけど誰にでもできる銀行付き合い方法
- 返済猶予中に国税差し押さえ予告されてもバンクミーティングで乗り切って保証付融資を代位弁済されても事業を継続する方法
- リスケ中にもかかわらず銀行を競わせて新規融資を引っ張りだす方法など
文中には会計や融資の専門用語が多数でてきますが、書かれている程度の理解で大丈夫だと著者の小堺氏は言っています。
中小企業の資金繰りにおいて、自転車操業という言葉の響き、先入観だけで判断するのが一番危険だと小堺氏は言います。むしろ、健全な自転車操業を目指すべきであると。